ディリー?闇鍋アラカルト
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2003年08月19日(火) |
ブラックジャックによろしく |
かなりのコミックファンであるいなっち・稲村りょうが最近購入した作品は、「ブラックジャックによろしく」だ。 この作品はTV化されているらしいが、僕はまだ見た事がない。 現代の医療の問題点が斎藤英二郎という研修医の体験を通じて書かれている。 また、実際の医療現場とコミックで描かれた内容とについて解説した本が2冊出版されている。 宝島社から「ブラックジャックによろしくPERFECTBOOK」、講談社から「ブラックジャックによろしく公式ガイドブック」。 これによって、コミックではドラマチックに表現されている事の実情がより明確に理解出来る事になる。 斎藤英二郎の月給は3万8千円、労働時間は16時間という設定だが、これについてPERFECTBOOKでは20名の現役医師にアンケートを行っていて、研修医時代の月給はいくらでしたか?という設問に、5万円未満35%・5〜10万円15%・10万円以上50%という結果になっている。つまり、コミックでは低め設定になっているが、有り得る金額だと言える。 研修医時代の一日の勤務時間は平均何時間くらいでしたか?という設問に、8時間未満と答えたのは0%・8時間〜12時間未満が20%・12時間〜16時間未満65%・16時間以上が15%という結果になっている。 医者は儲けられるという社会通念が一般的だが、研修医時代から簡単に儲けられる訳ではないのが分かる。 医師の世界に疎い一般の人間にとって一つの驚きは、医師国家試験がペーパーテストだけで、実技試験がないという事かも知れない。 この事についてのアンケートでは、70%が導入すべきと考え、導入する必要はないと考えるのが15%、どちらとも言えないが15%という結果になっている。 導入するにしても、どのような実技試験をするのかというのがその意義を大きく左右する事になるだろう。 コミックとその解説書は、大学病院・医師の現状を知るのに役立つ。 多くの問題点があるけれど、それが提示のしっぱなしにならないようにしたい。 また、このコミックでは解決されない問題も、プロの医療現場では解決されなくても、民間のささやかな努力によって改善・解決されている事例があるという事は付け加える必要が有ると思う。それについてはいずれまた・・・
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