ディリー?闇鍋アラカルト
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2004年08月24日(火) |
年間一兆円の医療費を使って4万人の死者を増やす |
この闇鍋で、血圧降下剤については昨年10月3日と今年4月30日に既に書いている。 http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/day?id=99310&pg=20031003 http://www.enpitu.ne.jp/usr9/bin/day?id=99310&pg=20040430 この時の趣旨は血圧降下剤を用いる治療よりも、望ましい治療(安上がりでより健康になる)についてだったが、最近読んだ「下げたらあかん!コレステロールと血圧(浜六郎著 日本評論社)」には、血圧降下剤を使う事によってどれだけの肉体的経済的な事が発生するかが具体的に書かれていた。
それによると1990年の厚生省・日本医師会から出された高血圧の治療基準では、160/95mmHg以上ある場合には降圧剤を使用するという事だったのに、2000年の新しいガイドラインでは140/90mmHgでは高血圧。血圧は130/85以下に下げるよう治療するという事になったのだそうだ。 では、130/85以下に下げるとどうなるか? その基準を下げる根拠になった論文は「HOT研究」と言い、「血圧 HOT研究」と入力して検索すると600件ほどヒットする。 その論文では、心筋梗塞罹患率が下がるという報告になっている。 しかし、総死亡は却って増えているのだ。 細かい計算は本に譲るが、基準値を下げて、該当する全ての人が降圧剤を投与されるとすると、1兆円以上の医療費が必要になり、心筋梗塞や脳卒中など循環器系の死亡は減っても、癌などによる死者が増えた結果、4万人程が余計に死ぬという数字がHOT研究自身からも導き出され、1980年の国民栄養調査対象者を14年追跡調査したNIPPON研究によっても裏付けられ、さらに要介護者も増える事が明らかになっている。
さて、こうした事が未だに多くの人に知られていない事は、この国の民主主義の有様を物語っているように思うのだが、分かってしまった人が何らかの行動を起こすしかないと考えている。
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