ディリー?闇鍋アラカルト
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先週精神科に通っている人からの電話を受け取った。
その人の会社では日本にある工場を中国に移転するのだと言う。そこで、その業務を手伝う事は、日本人の多数の仕事をなくすという事に繋がるという事で、「そんな事をしてていいのだろうか?」というわけで彼女にとって嬉しい事ではない。 彼女の口からアイヒマンの名が出た。 アイヒマンはナチスのユダヤ人虐殺に関して責任ある立場にいた人物である。 http://www.geocities.com/inazuma_jp/eichman.html 裁判でナチスのユダヤ人虐殺600万人の責任を問われたアイヒマンは「私は命令を忠実に実行しただけです。」と言ったと伝えられている。 「私だって日本人の首切りなんかしたくないけど、お金を稼ぐのに会社で仕事をし、それが会社の方針だったら、従わない訳には行かないじゃないの。それに、会社の方針で良くない事をやっている人たちって、私だけじゃなく、私の上司も、、それこそ、世の中にいっぱいいる。そんな人たちって結局アイヒマンなんじゃないの・・・」 ミルグラムという人がアイヒマン実験という有名な実験を行っている。 これは、命令によってどれだけ残酷な事を普通?の人が行ってしまうかを示したものとして有名な実験だ。 http://www.naoru.com/ijime.htm http://www.ne.jp/asahi/holocaust/tokyo/new_page_41.htm しかし、普通の人と言い切るには抵抗がある。 普通の人?アイヒマンでさえ、初めてユダヤ人の処刑に立ち会った時にはあまりの惨さに逃げ出してしまったのだ。 逃げ出した人が逃げ出さなくなるには、その後多くの条件付けや先輩たちの教育だって有っただろうし、昇進・昇給も必要なのだ。そして虐殺の洗練マシーンとしてのアイヒマンが出来上がる。 普通の人がそこまでになるには普通ならざる条件が加わっている。 しかし、いわゆる普通の人も条件次第で結構恐ろしい事をしてしまうという事がある。 それは、アイヒマン実験について書かれた二つ目のURLの記事の前後の記事を見れば分かる。 ● 第2回 ナチスの漫画教科書 ● 第3回 アドルフ・アイヒマン ● 第4回 ショアー ナチスの漫画教科書には醜く描かれたユダヤ人教師・生徒が学校から追放されるのを無邪気に笑っている情景が描かれている。 ショアーではいわゆる普通の鉄道員が、ユダヤ人を収容所に輸送する作業をしながら、それが虐殺に結び付いていると想像しないための理屈付けをしている。 このような記事を読むと恐ろしい事をいわゆる普通の人が荷担してしまう事に気付けるだろう。 もう一つ付け加えるなら、このような事は現代日本でも結構起こっている事なのだ。
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