rokoのNotebook

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一通のメール

2004年05月17日(月)


 今年のお正月に届いた年賀状の中に、ご主人様の転勤で某地方に住んでいる筈の友達の
 Nさんから住所変更を知らせる通知があった。
 お正月の挨拶とともに、たった一行「戻ってきました」と添えてあった。
 一人娘のAちゃんが、今年は高3になる。
 この時期のしかも学期途中での転校、サラリーマンは大変だナァ〜、と思っていた。

 それが、昨日彼女から長いメールが届いた。
 ご主人様は、まだ1人某地方に残っていて、彼女とA子ちゃんだけが、戻ってきて、ご主人の
 実家に住んでいるとの事。
 理由は、A子ちゃんの引きこもり+家庭内暴力。

 N子さんと私は大学時代の友人。
 A子ちゃんは、我が家の子供達と一つ違いだが、元々そんなに行き来があったわけではない。
 だから、小学校時代のA子ちゃんしか知らない。
 A子ちゃんは、生まれつき舌に病気を持っていて、そのために言語障害がある子だった。
 でも、小学校低学年の時に、リハビリに通い、言われなければ気がつかないところまで、
 克復したのだった。
 確かに、低学年の時には、その事を理由に虐めにもあったけれど、何時も笑顔を絶やさない、
 頑張り屋さんだった。
 Nさん自身も、A子ちゃんが高学年になると介護ヘルパーの資格を取って、実際にお仕事にもつき
 お年寄りや身体の不自由な方のお手伝いをして、頑張っていた。
 A子ちゃんは、一人っ子だから、時には寂しい想いもしたのだろうけど、お母さんの応援団でも
 あった。

 それが、中2の時に、突然お引越し。
 新しい土地に、新しい学校にA子ちゃんは慣れずに、中3は、登校拒否になり、殆ど学校へは
 行けなかったという。
 傷ついたA子ちゃんの心を更に追い詰める事になったしまったのは、大人たちの対応の悪さ
 だった。
 A子ちゃんの生まれつきの病気による少しの言語障害に気がついた級友たちから虐めが
 あったのに、それを認めようとせず、A子ちゃんの心の弱さを指摘した担任教師。
 自分達が新しい環境に慣れるのに必死で、A子ちゃんが追い込まれていた事に気がつかなかった
 親達。
 A子ちゃんは、親にも不信感を持ってしまった。
 
 それでも、A子ちゃんは、心療内科に通いながら、単位制の高校に入学し、多少の笑顔も取り戻し
 つつあったという。
 それが、何がきっかけになったかわからないけれど、ある日突然Aちゃんの家庭内暴力が
 はじまった。
 
 昼間は親子2人だけの生活。
 何時A子ちゃんの発作のような暴力が始まるかとビクビクしながらの生活。
 Nさん自身も耐えられなくなってきたし、A子ちゃんのためにも環境を変えるのもいいのではないか、
 何といっても、A子ちゃんにとっては、生まれ育った故郷でもあるし、と、ご夫婦で何度も話し合って
 母娘でこちらに戻ってきた。

 確かにA子ちゃんは、少しずつ落ち着き、まだ外へは出る事が出来ないけれど、小学校時代のお友
 達が訪ねてくると会うようになってきたそうだ。
 でも・・・今度は、母親である彼女が参っているようである。
 やはり、ご主人がいないところでの嫁と姑の同居には、無理があったのだろう。

 今までの経緯が延々と語られているメールだった。
 メールを貰った以上、読んだ以上、何かレスしなくてはならない。
 しかし、ガラス細工のような彼女に、何と声をかければいいのか・・・
 
  

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