rokoのNotebook

rokoのNotebook



於岩稲荷

2004年06月15日(火)


 新宿区にある四ツ谷警察署の大通りから裏に入ったところに「於岩稲荷田宮神社」がある。
 この神社、有名な「四谷怪談」の由来となっている場所であり、怪談ものを扱う芸能関係者が必ず
 お参りに訪れる名所でもある。

 「東海道四谷怪談」は、江戸時代後期の歌舞伎脚本作者、四代目鶴屋南北の作で、江戸に暮らす
 浪人,民谷伊右衛門は、元赤穂藩士の浪人だったが、吉良家の家臣の娘「梅」といい仲になり、
 婿入りすれば再就職できると、お岩に毒を盛って殺してしまい、新婚の夜からお岩に幽霊に祟られ、
 あげくはお岩の妹お袖の夫である佐藤与茂七に、主君の仇討の裏切者として討たれるという、よく
 知られた怪談話です。
 何時の世も、全く男は、浮気性なんだからぁ〜。
 女を怒らせると怖いよ〜


 ところが、この「於岩稲荷田宮神社」に祀られている「お岩さん」は、かなり違う人のようです。
 神社の説明書によれば、
 幕府の御家人田宮又左衛門の娘お岩さんは、養子伊左衛門の貞淑な妻であり、美人で働き者で、
 代々家に伝わる稲荷を篤く信仰していたといわれています。
 ところが禄高は少なく台所はいつも火の車だったのですが、お岩さんが稲荷を篤く進行していたお陰
 で、田宮家は以前の盛んな時代に戻る事ができました。
 このお岩さんにあやかろうとしてお岩稲荷の信仰が盛んになり、それからは「於岩稲荷」「四谷稲荷」
 「左門町稲荷」などと呼ばれ、家内安全、無病息災、商売繁盛、開運、さらに悪事や災難除けの神と
 してますます江戸の人気を集めるようになっていました。
 
 でも、実は、もう一人「お岩さん」がいたのです。
 それは田宮神社でお祀りされているお岩さん(1636年死去)から5代目の人で、下級武士田宮又左衛
 門の娘のお岩さん。
 大坂出身の浪人伊右衛門を婿に迎えたが、伊右衛門の上司にあたる伊東喜兵衛が妊娠した妾を
 伊右衛門に押し付けるためにお岩を離縁させました。
 あとから事実を知ったお岩は狂乱したあげく、行方知れずとなりました。
 そののち田宮家は変死者が続出して断絶。
 ここで、一旦田宮家は血筋が絶えますが、後に、近親者がお岩稲荷を建てました。
 この「お岩さん」が「東海道四谷怪談」のモデルになったようですが、実はこの女性の名前は不明
 のようです。
 其処で初代のお岩さんの名前だけ借りたのではないか・・・と、言われています。

 さて、「於岩稲荷田宮神社」は、都指定旧跡となっていますが、この神社の真向かいに
 「於岩稲荷陽運寺」があり、本家・元祖と競ってさえいます。
 「於岩稲荷田宮神社」は都旧跡に指定した案内板を立てているのに対し、もう一方の「於岩稲荷
 陽運寺」の方は、これに負けじと盛沢山の飾りつけがしてあります。
 こちらの方が広く、おみくじがあったりしますが、何故か「縁結びの神・縁切りの神」の旗が並び
 立っています。

 ご多分に漏れず、私も「おみくじ」を引いてみましたが・・・(;^_^A


 





 < 過去  INDEX  未来 >


roko [MAIL]

My追加