きままくらし

2002年10月03日(木) このくにのひと

連日報道される、北朝鮮拉致問題は、隔靴掻痒 明かりの見えないトンネルの先といった感がある・・・
首相訪朝の際の驚きとはべつものの憤り・・・外務省の調査報告の内容は
怒りを増幅させた。

今日も拉致された人々の家族の会見があった。
淡々と発言がなされてゆく。
深い悲しみの中の怒りがあまりに静かで、一層こころの奥深い悲痛な叫びのようだとわたしは感じたのだが、、、

かの国のTV放送を目にする機会がまれにあるが、ニュース報道のアナウンサーのあの、語気のあらさに吃驚してしまう。
女性のアナウンサーにして、まるで怒っているか、叱咤しているかの如き
語気の強さに思わずその表情をまじまじと見つめ 引き寄せられてしまう。
偉大な将軍様 と いう 大時代な言葉を 聴くにつけ、、、これは現にこの時代のことなのか、もしや わたしは 架空の話の映画を観ているのかと・・自分の頬をつねりたくなってしまうのだ。

それでも、K氏がどうした、こうしたを聞いているうちはまだよかった。
これほど大量の人がかの国に連れ去られているなど思わなかったから・・・
そして、ほんとうの実数もわかりはしないこと、あの素人考えでもわかるほどの死因の不自然さ。この実態があまりに遠くて まるで 咽喉の奥深く何かが張り付いてしまったような状態が いつまで続くのか・・・

かの国の政権が変らなくては何一つ解決しないだろうという悲観的な意見を耳にし、何がどうすれば すべてが クリアーになるのか 全く わからず
このまま時はすすんでゆくのだろうか?

今夜も、憤りのなかで こころはどんどん 無機的にならざるをえない。
かの国の人たちが悲しみで号泣したり、地団駄を踏んで悔しがったり、抱き合って声をあげてうれし泣きしたりするのを目にしたことがある以上、このくにの人たちも大声で怒りを表すしかないんじゃないだろうか。
胸倉をつかんで罵声をあげ怒りを表明するぐらい、感情をたたきつけたい。


このくにの静かな怒りは あまりに 静かすぎる。




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