2002年11月23日(土) |
SSS#35「瀬戸口×速水。甘々?」 |
この一週間、怒涛のような日々でした。 気付けば前回の日記から一週間経っちゃってるし…。 そういえば木曜日、ボジョレーヌーボーの解禁日だったのですよね。 それどころじゃなかったですよ。…もういいや、しょぼん。
最近座りっぱなしで仕事をしているせいか、むくむは緩むは大変です(笑) 肩こりも運動不足のためだというし。 スポーツクラブにでも通った方がいいのかな…と。 ご近所にもあるのですが、丁度会社と反対方向。会社帰りに拠るのは大変だな…と、こんな事ばかり考えているから私は運動不足になるのか。
裏SSも少しずつ書いているのですが、24KB書いても全然終わらない〜; もう少しお待ちくださいませ、すみませぬ。
【幸せのハンカチ】
パソコンのスイッチを押すと、ヴンッという音と共にモニタにDOS画面が流れ始める。 瀬戸口は一瞬で流れ去るそれを持ち前の動体視力で判読し、この端末が正常に動いていると確認した。 起動まで時間が掛かる。 その間に整備員詰所の傍らにある小さな流しで、埃まみれになった手を丹念に洗う。
詰所の端末を修理するように、と言われたのは今朝の事。
「整備士の誰かがやれば早いんでしょうけれど、生憎だれも手が空いていないの」
髭面の青年司令に頼まれたのなら渋る所だが、美貌の整備主任に頼まれたなら否やはない。 瀬戸口は女性(特に美人)に親切だ。 しかも相手が疲れた顔を無理に微笑ませているならば尚の事。 喜んで、と労わるように笑顔を向けると、原は少しだけ疲労の軽減した顔でにこりと笑った。
ハードの問題だ。と一通りチェックして瀬戸口は困惑した。 自分の手に負えないような内容なら、芝村か茜にでもプログラムを組んでもらって…と考えていたのだが、どうやら宛てが外れたらしい。 瀬戸口の前には、カバーを取り外された端末が無惨な姿を晒している。 何処も品不足だ。パソコンの部品を手に入れるのもなかなか容易ではない。マザーボードを交換したいな…と考えつつ、取りあえず電池だけ交換しておく。 後で裏マーケットへ行こう。士魂号の生体部品すら手に入る店だ。マザーボードの一枚や二枚置いているだろう。 瀬戸口は取り合えずパソコンを元の姿に戻し、机の上に据え付ける。 すぐにテレポートセルで新市街へ跳んだ。 彼は自分の仕事はともかく、原から頼まれたことを疎かにするほど命知らずではなかった。
そんな経緯で修理されたパソコンが、瀬戸口の背後でブワァンと独特の音を立てる。 正しく立ち上がっているのを肩越しに確認して、やれやれと溜息をついた。 指に付いた黒い埃汚れは、油分を含んでいてなかなか落ちない。ウンザリしながらも丁寧に石鹸を泡立てる。 美少年は指先まで綺麗であるように注意しなくてはならない。特に恋人に会う前には。 瀬戸口は時間を掛けて満足行くまで手を洗う。 手のひらに比して指が長く形良く、しかし繊細さより男らしさを感じる力強い手はピアニストのようだった。 しかし、瀬戸口自身は自らの手の形にはさして注意を払っていない様子で、乱雑に手を振って水滴を切る。 ポケットに手を伸ばし、ハンカチを取り出した。 そして、止まった。 パリッと角まで綺麗にアイロンの当たったハンカチ。 瀬戸口は暫し、じっとそれを見つめる。そして、目を天井に向けて一瞬考え込むような顔をしたと思うと、折角のハンカチをとても大事な物のようにまたポケットに仕舞ってしまった。 ぽたぽたと水滴を落としながら、詰所を縦断する。 隅の棚に積んであったタオルを一枚失敬し、大雑把に手を拭いた。 彼のポケットにハンカチが入っている。何の変哲も無い、けれど瀬戸口には特別なハンカチである。 瀬戸口はポケットの上から手を触れて、酷く幸せそうに口許を緩めた。
***
速水は洗濯籠を覗き込んでいた。眉根を寄せ、大きな目を半目にしている。 不審。そういう言葉がピッタリ来る表情。 さして多くも無い洗濯物の中から一枚を取り出し、よくよく観察する。 眉が急角度に吊り上がり、口がへの字になる。 速水はそれを手にしたまま、居間の方へと向かった。
「瀬戸口さん!これ…」 「ん?」
昨夜から速水の部屋の住人となった、自称『速水のスイートラバー』な美少年は、端正な顔を向けている。 速水の険しい表情にも、にっこり笑顔。 「怒った顔も可愛いな」ぐらいに考えていそうな緩んだ笑顔が、余計に速水の怒りを煽る。
「使ってないでしょ。ハンカチ」
僕が折角アイロン掛けしたのに…と速水は口を尖らせた。 瀬戸口の笑顔がますます緩む。 幸せ一杯夢一杯にだらしないほど緩んだ表情は、美少年として許容されるギリギリのラインである。
「…だってあっちゃんが愛を込めてアイロンしてくれたハンカチだからさ。 あっちゃんが新妻チックにアイロン掛けしてくれてる姿を思い出したら…勿体無くて」 「馬鹿じゃないの…」
速水は呆れ、少し怒った。 瀬戸口は叱られて嬉しそう。 速水はもっと呆れる。
「僕の愛の篭ったハンカチを使わないつもり?」 「大事にとっとくつもり」 「早く使わないと愛が傷んじゃうんだから!」 「愛情に賞味期限はないと思わないか…」 「思わない、腐っちゃう」
速水の可愛げの無い発言に、瀬戸口は至極真面目な顔つきで頷いた。
「腐っちゃうなら早く食べないとな」 「食べ…」 「『愛情は生ものです。お早めにお召し上がりください』って?」
瀬戸口は自分よりふた周りは小柄な少年にのしっと体重をかける。 こんなとき、少年を潰してしまわないように彼が心を砕いている事を、一体幾人の人が知るだろう。 速水が抗議の声をあげ、部屋が一時的に騒がしくなる。 あくまでも一時。その声は段々小さく細くなり…やがて違う声に入れ替わる。 瀬戸口は食べたり喋ったりという本来の目的とは違う用途に忙しく口を使いながら、綺麗に洗った綺麗な手で最愛の恋人を抱き締めた。
Fin ――――――――――――――――――――――――――――
瀬戸口って、煙草の事とかでも速水に叱られるの好きそうですよね。
速水 「身体に悪いんだから、止めてって何度も言ってるでしょう!? 心配してるの判らないの!」 瀬戸口 「ん…。ごめんごめんv判ってるよw」 速水 「ちっとも判ってないじゃないか(怒)」 瀬戸口 「v」
…マゾ?
という方はスイッチをどうぞ。
…って明日別の方の資格試験だったわ。暇無くて全然勉強してないし!(笑) 今夜徹夜で一夜漬けしよう。 ………なんだかこれって、私の生き様を如実に表しているような気がします;
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