2002年08月25日(日) |
東京JAZZ 2002 |
東京をJAZZ一色で染めてしまおうという試み。 メインの調布、東京スタジアムはじめ、都内のジャズ喫茶やジャズのライブ拠点ではさまざまなイベントがあったようです。 こちら京都からはBSの中継を見るのみ。感想を結果から言うと、昨日東京スタジアムにいた人は相当ラッキーだということです。
いろんな形態の演奏がありましたが、なんといっても昨晩だけのスーパーユニットが素晴らしかった。 ツイン・ピアノ、ツイン・ドラム、ツイン・コンガ、ツイン・ベース、それだけでも凄いのにウエイン・ショーターのソプラノサックス、ウォレス・ルーニーのトランペット、同じくトランペットにブエナビスタソシアルクラブバンドの若手、テナー・サックスにマイケル・ブレッカー、ピアノのうち一人はもちろんハービー・ハンコック。凄いラインアップですね。
たんにビッグネームだから凄いんじゃなくて、演奏そのものがとてもスリルに満ちてスケールが大きかったのです。 久しぶりに「ぶっ飛ぶジャズ」を聴きました。個々の卓越したテクニックやセンスはもとより生み出そうとするものが新しかった。
素晴らしい演奏の中でも特筆すべきもの、ひょっとしたら語り継ぐべきかもしれない演奏は、たった一人でステージに残ってブロウしたマイケル・ブレッカーのテナーです。 曲はジョン・コルトレーンの「ナイーマ」。日本ではずっと「ネイマ」といわれていた曲。ブレッカーが呼び名を訂正してました。 ちょうどブレッカーはハービーとマイルス/コルトレーンのトリヴュートを出したところでもあって、素晴らしい演奏でした。 「スピリチュアル」という言葉がもっともふさわしい形容でしょう。
ジャズのライブで鳥肌が立つたのはほんとに久しぶり。 精神性が高く、呪術のようでもあり、静かに深いトランスに入っていくかのよう。 音はあくまでクリアーでシャープ。タフで淀みないフレーズ。 いやがおうにもイマジネーションをかきたてる素晴らしいインプロヴィゼイションでした。
もしミュージシャンに「旬」があるとしたらマイケル・ブレッカーはまさに今がそうでしょう。 彼の精神性の高い演奏。もちろん彼のソロアルバムもあるのですが、こちらよりも誰かとのセッションでよりその威力を発揮します。 小曽根真さんの「Treasure」の最後の曲。これなんかはおすすめです。
ハービー・ハンコック・カルテツト、ウェイン・ショーター・カルテツト、ともに素晴らしい演奏でした。 そしてブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブバンド。キューバの老若合体のバンド。これもよかった。特にこのバンドの歌姫オマーラ!!! 72歳!!!にしてその声量、アドリブのアイデア、リズム感。全出演者を圧倒してましたね。
前出のスーパーユニットをバックに「サマー・タイム」を歌ったんですけれど、これがすごかった。自ら手拍子でテンポをとってバンドを仕切ると、アフロキューバンの真っ黒な「サマータイム」を歌いあげたんです。 ピアノのハービー・ハンコックは感極まって踊り出す始末。こんなの聞いたことないです。 夏の闇の空気の感触。セクシャル!!! そういえば、みんな「色気」がありました!!!それが素晴らしい。 ほんとにこの夜を経験した人がうらやましかったです。
ほんとにジャズはいいなぁ。 おっと今日もあるのでした。また、感想がまとまれば書きますね。
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