2009年06月03日(水) |
Book2へ…。猫の「牢名主」とその「上」 |
「1Q84」、Book2に入りました。 村上春樹はイマイチ、という「文庫本主義者」にとうとう「1Q84」を読んでいることを告白。すると、好きなんだからいいんじャないの、と。 彼女は村上作品を読まないわけじゃない。「ノルウェイの森」はいいと思う、とまでいうのだけれど、他の作品は読んでみたけれど駄目なのだ。
おおかたの「村上春樹離れ」をした人と同じく、「ねじまき鳥」の人体カワハギ、と「カフカ」の猫殺しのシーンで、だめ押しの×なのだ。
「セックスと暴力は書かない」という掟を作って始まった村上春樹氏の創作の歴史は、書く範囲を広げ続けてきた。「書かない」のではなく「書けなかった」というところが正確なのでは、と京都新聞の「風の歌」に書かれていたように記憶している。
しかし物語が人々の魂に触れるまでの深さを持とうとするとき、セックスも暴力も、そして「悪」までも包括する必要があったのだろう。 村上氏はこつこつと書ける範囲を広げてきた。書かねばならない必要があったからこそ、だと思うけれど、その創作の道筋をゆく姿勢はきわめて真摯なのものだと思う。
それにしても村上作品のデイテールを読んでいると生活をしゃんとしなきゃ、という気になる。そういう覚醒する部分は山ほどある。
朝の8chのワイドショーで、「でさあ、結局どういう内容なのよ教えてよ」とイライラしながら広言するメインキャスターがいた。
あんた本読めよ。いい年してんだからさ。思わずテレビにつっこんでしまった。
牢名主なのだ。
牢名主の上なのじゃ。
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