スナックおのれ
毛。



 天才論。

富士ロックフェスティバル、通称富士ロックに私は、一度も行ったことがないんですが、毎年、この時期になると出演アーティストの情報が耳に入ってきます。今年もジャンル、国内、国外問わず、様々なアーティストが出演するそうですが、注目はなんと言っても井上陽水。主催者側もスゴイ人に目をつけたもんです。キノコの麻薬で少し飛んでいる若者たちは、きっと熱狂することでしょう。しかし、それでもし、スカした若者共が、井上陽水をトランス・ミュージックだ、とか言ってリミックスでもしだしたら、どうしましょう。黒めがねのニヤニヤ笑っているおっさん(井上陽水)は、そのまんまニヤニヤ笑っているような気もしますが、なんとなく私は煮え切らない気持ちになりそうです。
やっぱり世の中、天才と言う人は少なくて、天才のなんたるかを簡単に言えば、「それしか本当に能のない人」「真にオリジナルな人」だと私は思うんです。井上陽水は、その数少ない天才なのではないかしら。音楽的センスにしても、言葉のセンスにしても唯一無二、他の職業で生きようがありません。世代の問題、社会環境、様々な要因が現代と井上陽水が過ごしてきた時代とは違うけれど、最近のアーティストで天才っているのかな?アーティストばかりではなく、私たち個人個人も個性をなくしているなかで、本当の天才はいるのかしら。でも、きっと時代のせいではないんですよ、社会のせいでも、大人のせいでもないんですよ。それぞれの認識が甘くとろけてしまったのかもしれません。天才不在でも、国の未来はあるだろうけど、至極つまらない国になりそう。

2002年04月17日(水)
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