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2025年06月14日(土)
エマーソン北村+宮田岳 SESSION!

エマーソン北村+宮田岳 SESSION!@Shimokitazawa 440

ほぼ急遽のセッションでしたが各々のソロにバンドにインプロ、じゃがたら「みちくさ」(!)にカーペンターズ「We've Only Just Begun」(!)のカヴァーも聴け楽しい夜になりました 清さんの怪我がはやくよくなりますように

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— kai (@flower-lens.bsky.social) Jun 15, 2025 at 2:20

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エマーソン北村(key, vo)
宮田岳(vo, g, b)
fugasi:宮田岳(vo, g, b)、はまち(drs, perc, cho)
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えーともともとは松竹谷清さんのバンドChocolate Dandiesとヤヒロトモヒロさんのバンド公開車庫の対バンによるイヴェント『GET CRAZY 2025』だったのですが、清さんに災難が降りかかりまして。


なんてことだよー(泣)。手術は無事終わり現在リハビリ中だそうで、早く完治することを願うばかりです。

松竹谷清&Chocolate Dandiesは全員札幌在住につき、バンドメンバーだけ東京に来るのも……となり、そうこうするうちヤヒロさんも別件で東京を離れることに。中止か……となりそうになったところ、エマーソン北村さんが「近所に住んでいるんです。土曜の夜に440の灯りが消えているのは忍びない」と、代替公演として『エマーソン北村+宮田岳 SESSION!』を企画してくれたのでした。出演者が減った分の差額です、とチケット代金も一部返金してくれるという心配りも。いいのにー! 制作さんもたいへんだったよね……。

という訳で1st setは北村ソロ→宮田ソロ→fugasi→fugasi+北村、2nd setは北村さんと宮田さんがそれぞれ出したお題をもとにインプロ→はまちさんが加わって全員セッション、というプログラムになりました。

そもそもはJagatara2020が縁だったそう。そうそう、このときのハコバン素晴らしかったんだよ〜! バンマスを務めた宮田さんのデキる子っぷりに感服したものでしたよ。「どういう経緯で俺のところに話が来たか、今でもさっぱりわからないんだけど」、知り合いから「こういう案件があるんだけど、どう?」と連絡があり、ていゆうさんと会って面接+セッションみたいなオーディションがあったそうです。ご自分のことをオヤジキラーならぬ「オヤジ狩り」といっておりましたが(笑)確かに年長さんからめちゃモテですよね。頭脳警察もやってるもんね。わかる気もする。一方的な印象だけど、演奏にも佇まいにも達観を感じます。

で、上のひととばっかやってないで「いい加減自分のバンドをやらないと」と思い立ち結成したのがfugasiとのこと。てかバンド名最高やん、FUGAZIならぬfugasi。このとき初めてバンド名を聞いたのでスペルが分からなかったんだけど、フガシいうならシは絶対shiじゃなくてsiだろと検索したらやはりそうだった(笑)。gとdrsのツーピース、めちゃめちゃ格好いい! 呻くようなヴォーカルと骨太ギター、ストロングスタイルなドラムと繊細なパーカッション。White StripesやJSBXな雰囲気もあり……そうだギターがジュダ・バウアーを彷彿させるんだ。Jagatara2020ではベースのみだったので、ギターでもこんないい演奏するんだ! とまた感服。こういうところも「若いのに渋いとこ体得してる〜だからオヤジにモテるんだね!」という印象。めっちゃ好みの音だったのでまた聴きたい。イヤイヤ期の3歳児を描いたフランクザッパならぬ「ブランコザッパ」、最高でした。

北村さんは「めっちゃリラックスしています」、とエレピ、オルガン、ポエトリーリーディング(岩波新書を開いて朗読も。タイトルは見えなかった、何の本だったんだろう)に歌と、柔らかく沁み入る演奏。宮田さんとのトークも楽しく、メキシカンパンダの話に大ウケ。穏やかな北村さんが「無茶苦茶かわいいの!」とこのときばかりはテンション高くなっておりニコニコした。気になって帰宅後検索しても全然見つからないメキシカンパンダ、実物を見てみたいよ〜! 最初そういう品種がいるのかと思ったよ〜!

インプロのお題は「縄文人のヲどり」「レゲエベース」「暗号解読」「におい」。「陶芸をやっているので縄文土器も好きで。川も森も豊かな日本では、縄文人はあんな複雑な紋様の土器をつくるくらいのゆとりがあったようなんです。砂漠が続く大陸の方では、ああいう土器は見つからないらしい」。超難解なナチスの暗号がAIで簡単に解読出来たというニュース(エニグマのことかな→・現代AI技術がエニグマ暗号を13分で解読:第二次世界大戦の難題が今やあっという間に┃イノベトピア)から、「当時の人間が寄り集まってウンウン考えて作ったものを、AIは一瞬で解いちゃう。人間ってかわいらしいというか愛しいなって……」「暗号解読の仕事には女性たちが従事していたんだよね」などなど、キーワードにまつわるふたりの話も興味深いものばかり。

北村さんの「Jagataraにはかっこいいベースラインが沢山あったので、そこから何か選んでみて。キーだけ教えて」という言葉のあと、イントロでおお、これは! となったベースライン。瞬時にキーボードが重なる。これなんだっけー、知ってる! でもタイトルが出てこない!(加齢)と思っていると、聴こえてきたのは「口笛を鳴らせ」「お前の考えひとつで どうにでもなるさ」のキラーセンテンス……「みちくさ」だー!!! ギャー、来てよかった!!!

その後「意外に思われるかもしれないけど」(いや、そんなことないよ!)と演奏されたカーペンターズ「We've Only Just Begun」のカヴァーもよかった。ベーシストでしか知らなかった宮田さん、こんなに魅力的なギターと歌を持っていたんだと5年経って知ったのでした。次回こそ『GET CRAZY』で! 待ってますね。

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入場前に隣の251を見て、あー昨日はここで高橋さんだったんだよなあ(ここんとこ悉く日程が合わない)……などと思いつらつら検索していたらこれがヒット、清さんと接点があったのかと驚く。鹿島さんの人脈〜! そうそう、Jagatara2020の「みちくさ」はエージさんとせいこうさんと近田さんでやったっけ。この日いちばんアガったナンバーだったなー


この日の清さん。こだまさんも現在闘病中、ふたりともはやく元気になって

・コード・ガールズ 日独の暗号を解き明かした女性たち┃みすず書房
帰宅後暗号解読の参考文献を探していて見つけた本。読んでみたいー