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2025年09月17日(水)
SMASHING PUMPKINS ROCK INVASION 2025

SMASHING PUMPKINS ROCK INVASION 2025@日本武道館

オープニングからフィナーレ迄スマパンでスマパンのスマパンだったわよヨヨヨ ヨヨ〜

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— kai (@flower-lens.bsky.social) Sep 18, 2025 at 1:12

今もう燃えカスみたいになってます。今夜夢が現実になる(Tonight, Tonight)! ていうかさーまだ日本にいるのよね……夢のようだ。

12年ぶり、イハとジミー帰ってきてからは25年ぶりの来日だそうです。幸か不幸かあのミスチル地蔵事件があったサマソニには行ってないんですよね。ここからパッタリ来日しなくなるとは……。あれ以来ツアーが何度あっても日本に来ない。明らかに外されてる。なんでなんで? と思っていた頃、instagramストーリーズの「ビリーだけど何か質問ある?」で「日本にはもう来ないの?」と訊いた方がいたのです。それにビリーは「日本のファンは僕たちを見限った」と答え…これはショック大きかった……。おまえ、『Adore』のとき評価してくれたのは日本のファンだけだよーいうてたじゃないか! その思い出を忘れたか! とはいうものの、サマソニの件かと思い当たりもする訳で。日本における洋楽不況も無関係ではありませんよね。返す言葉もありません。

イハとジミーが帰ってきてからも「来ないんだなあ」と諦めていたのですが、その空気が変わったのが今年に入ってから。年頭に開催された『rockin'on sonic』で、「スマパンもリストに入っていた」という主催者の発言があり、来日の芽がある? 来年のロキソニ出演ある!? と期待が膨らみ……と思っていたら、6月にいきなり単独公演が発表され出先だったのにデカい声出た。しかもえらい細かくまわるな! 広島とか福岡とか……どうした!?

前置きが長い。あっという間に当日です。半蔵門線は武道館へ向かうひとでいっぱい。歴代のスマパンTシャツ博覧会みたいになっていてもう楽しい。田安門をくぐるとコウモリが飛んでいる。に、似合う! スマパンのライヴにピッタリ!(何が)と浮き足立つ。武道館に来たのブンブン以来(じ、12年ぶり)だったのですが、トイレは綺麗になってるし動線もスムーズだったな……便利になったもんです。初日の名古屋は5分早く始まって客大慌て、というのをSNSで見ていたので早めに席に着く。予算の都合上A席(2階席後方ブロック)をとったのですが、それでもAでは最前列だったらしく、前の列のひとが「Sでここかよー」といっていた。往年の滝沢歌舞伎を思い出しました。滝沢歌舞伎は全ての席が同価格でしたっけか……。音はイマイチでしたが(特に序盤。PAが探り探りだったのかな)視界はとても良かった。アリーナは段差がないため見づらい場所もあったようだし、結果的にはスタンドでじっくり観られて良かったかな。

後ろのひとが「今のベースおじさんなんだよ」「おじさんなの?」「おじさんなんだって」「おじさんかあ〜…」と話していて密かにウケる。スマパンの歴代ベース初のおじさんだっけ? ちなみにジャック、ピーター・フックの息子さんだと後日知りめちゃ驚いた。ベースのポジションがえれえ低いなと思ってたけど、あれは父ちゃんのスタイルを踏襲してるんだろうか。

定刻通りに開演。「Today」のイントロで大泣き後はずっとワーギャーいってた。あれもこれもそれもやるんかいの大盤振る舞い!!! このセトリ(後述)でやられてみい、泣くしかないし笑うしかないわ。“Today is the greatest day / I've ever known”だよ! そんで“Can't live for tomorrow / Tomorrow's much too long / I'll burn my eyes out”なんだよ! もう明日になっちゃったけど! 「Cherub Rock」イントロのスネアでギャアアアいうてしまったが隣の若者もぎゃーいうてたからまあいいか。皆ギャーいうだろ、いうよね。

そう、結構若い子がいたのです。ビリーが「Young fan, New fan」いうてた(そして「Old fan」といわれる私ら)。しかもさビリーその若い子らに「僕らを見つけてくれて有難う」っていったの! そんで「昔からのファンも有難う」って!!! そんですごく深いお辞儀をしてさ……。往年の曲と今の曲に分け隔てなく接した若い世代は来日を願っていたし、バンドと同じ時間を過ごした世代は半分諦めつつも、いつか再びと来日を待っていた。そんなリスナーが一緒にライヴを聴ける幸せよ。

かつてスマパンの曲を求めるオーディエンスに「今を生きることが出来ないのか?なぜ過去を生きなければいけないんだ?」と叫んだビリー。あれから20年も経って、自分の成し遂げたことを過去だと意固地になる必要はないと思っているかな。過去は財産でもある。自分が創りあげたものはエヴァーグリーンなのだ、と受け入れていればいい。Black Sabbathのカヴァーを披露したとき、7月のサバストリビュートライヴで子どものようにはしゃいだり子どものようにはにかんだりしていたビリーを思い出し、あなたが愛するサバスの楽曲も不朽だよ、スマパンもそうだよと思う。

と感動しつつも、ビリーのスモック(といってしまう)のボタン、サバストリビュートのときは紫だったよね(勘違い、靴が紫だった)。スマパンのときは赤なのね。細やかな拘りがかわいらしいわ〜などと思っていた。そしていちばんの謎、Berlinの「Take My Breath Away」カヴァー。トップガンのあの曲! タイトル思い出せなくて帰宅後調べた。しかもハンドマイクでカラオケ(つってもバックは豪華生演奏だが)。何? 何なのこのコーナー? 今でもわからない。このコーナーは今ツアーで欠かさずやっているようで、ハンドマイクで唄い乍らステージ上を練り歩くビリー、絡まれてハイハイと相手するイハ、というおもしろ動画が連日のようにSNSにアップされている。今日も日本のどこかでビリーがカラオケを……想像するだけでニヤニヤしてしまう。

といえば、「Ava Adore」でもビリーはハンドマイクで唄ったんだけど、ちょっと袖に引っ込んだあとタオル(?)を被って出てきたのが面白すぎた。「Ava Adore」MV(大好き)のイメージでゴスシスターコスプレ? といい方に解釈しようとしたけどジャミラに見える。後日マリス師に「カオナシみたいだった」といわれそれだ! となりました。これも何だったんだ……。ビリ公は終始ご機嫌で、「Mayonaise」前にイハと漫談したりしてた。ビリーの「(イハが)武道館に立つの25年ぶりだって。あのときと比べてどう?」というフリに「It's better.」と答えたイハに大歓声が飛びました。てかイハ「Yes, I do.」を連発しててそれもおかしかった。

真面目な話(?)もしよう。演奏はやはりジミーが帰ってきたのが大きい。歴代ドラマーには感謝しているけれど、スマパンのドラムはジミーだなとしみじみ……あのスネア、あのツーバス、あのタムの多さと手数の多さ、にも関わらずヘヴィーでハードなオルタナサウンド。これがあってこそのスマパン。「いろいろあってもビリーが手放さないのがよくわかった」といってる方がいたけどホントにね……一度は解雇したくらいだったのに。ジミーこれからも頼むよ! クリーンでヘルシーでいてください!

そしてある意味驚いたのはギター3本のバランスがかなり均等だったこと。以前はビリーのギターだけ格段に音デカかったもんな。イハのトリッキーかつ的確なリフも、キキのアグレッシヴなコードもちゃんと聴こえる。このギター3本で「Cherub Rock」や「Jellybelly」や「Stand Inside Your Love」のリフ鳴らされてみい! 漲るわ! 最高でした。キキの存在感もいい効果。フライングVの似合うこと! ビリーたちより二世代くらい下なのかな、若くて勢いがあるギタリストがいるのっていいね……開演前にファンサしたり、会場にピックを隠したから見つけてね! とサプライズを仕掛けてくれたり、SNS経由でツアーを楽しんでる様子を伝えてくれるのもうれしい。武道館のあとでプロポーズされたそうでおめでとうございます! お幸せに!

ビリーのギターを存分に聴けたこともうれしかった。あの独特のストローク、リフ、フレージング。あの大きな手で楽々握られるコード。長尺ソロも聴けたし、自分から積極的にイハやキキに寄っていって向かい合って弾いたり、当時の俺が俺だけが引っ張らなあかんってなぼっちビリーからは想像出来ないアンサンブルで感動すらした。いやホント今のビリーが、スマパンが観られてよかったよ……。

バロック調の曲でフィナーレ、アンコールはないと確信。ひとつのストーリーのようだったライヴにアンコールは必要ない。BGMに合わせてゆっくりステージの端から端迄歩き、何度も手を振りお辞儀をするビリー。有難う有難う、また来てほしい、絶対来てほしい! まずは今回のツアーを無事終えられますように!

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Setlist(setlist.fm

01. Glass' Theme
02. Heavy Metal Machine
03. Today
04. Bullet With Butterfly Wings
05. Muzzle
06. 1979
07. Edin
08. Pentagrams
09. Take My Breath Away (Berlin cover)
10. Mayonaise
11. Disarm
12. Tonight, Tonight
13. Cherub Rock
14. Sighommi
15. Bodies
16. Porcelina of the Vast Oceans
17. Jellybelly
18. 999
19. Ava Adore
20. Stand Inside Your Love
21 Zero
22. The Everlasting Gaze
(preceded by teases of Lenny Kravitz's "Are You Gonna Go My Way" and Black Sabbath's "NIB"&"Paranoid")

Note: First performance in Tokyo since 2010. First performance in Tokyo with James Iha and Jimmy Chamberlin since 2000.

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そういや今更だけど「Disarm」や「Tonight, Tonight」のストリングスって誰が音出してた? シンセのサポートいなかったよね


おまけ。というのも2000年のスマパン解散ツアー最終日に苦い思い出があり…そのヤジを飛ばしてた連中ってのがNINのTシャツ着てたんですよね……。今でもスマパンの現場にNINのTシャツ着てるひとがいると身構えてしまうわ。デヴィッド・ボウイの「僕はふたり両方とも仲がいいし、あっちも僕を慕ってくれるけど、あのふたりが顔を合わせると……」って話を思い出します(…)。
ちなみに武道館、千代田区Wi-Fiが入りました。便利になったもんだ(隔世の感)